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[インタビューをいただきました]
永谷家のお墓。
亡くなられたご主人の直筆の『道』の文字が、残されたご家族の未来を明るく照らしてくれているような、そんな気持ちになってくるお墓です。
矢田「こんにちは、お久しぶりでございます。 その後ご機嫌いかがですか?」
永谷「おかげさまでね。 こないだもお墓参り行ってきたところですよ。
ちょっと墓参り行かないと汚れるねー。 大変だわ。」
矢田「まあ、そうですね。 野外ですし、あの墓地は風も良く吹くので汚れますか?」
永谷「汚れる汚れる。 黒い石にして失敗だったわ、汚れが目立つもの。」
矢田「まあ、確かに黒は汚れが目立ちますね。
でも、それだけお墓参りに行ってくださいね、と言うことですよ。」
永谷「ホント、私達のような不精者は、こんなことでもないとお墓まいり行かないもんね。」
矢田「ここで自分がそうですねとは言えませんが、 お墓参りに行く理由があっていいじゃないですか。」
永谷「そうだねえ。 ところで今日はなんだった?」
矢田「ああ、そうそう。
お墓を建てた後の、お声を頂こうと思って来ました。」
永谷「言うこと無し、本当に良くやってくれたと思ってますよ。」
矢田「それじゃあ終わってしまうので、ええっと・・・
じゃあ、具体的に自分達の仕事振りはいかがでした?」
永谷「実際に工事してるところは見てないので、分かりません。」
矢田「率直な意見ありがとうございます。 じゃあ、次は、と・・・・」
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仕事場での1コマ。
忙しいお仕事中に、ありがとうございました。
カーテンなどのインテリア屋さんをやっていらっしゃいます。
亡くなってみて、ご主人の人望の厚さを改めて思ったそうです。 |
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矢田「自分達にお墓を任せようと決断した、一番の原因は何ですか?」
永谷「お店に行って、お宅のお父さんを見てね、息子が
『この人なら信頼できそうだ。職人だ。』 と言ってね。
やっぱりまじめそうだったところかねえ。」
矢田「ありがとうございます。
他にとりえがないので、自分達は何でもまじめに取り組むしかないんですよ。」
永谷「でもそれが大事ですよ。
いい人にお墓任せられたなーって思いますよ。」
矢田「ありがとうございます。
それではお墓について少し・・・ お墓を創るにあたって、何か凝った部分ありますか?」
永谷「別にないよ。」
矢田「そうですか。
あっ確かご主人の直筆をお墓に彫りましたよね。 あれなんかどうです?」
永谷「ああ、あんまり上手い字じゃないけどね。
でも、いろんな人に色紙を配ってたの。 結構死ぬ間際にも書いててね・・・。」
矢田「そうですか・・・」
松永「そういや、あの文字っていつか埋まっちまうのかい?」
矢田「いや、埋まることはありませんよ。
よっぽど、ホコリがたまっても正面の文字が埋まったお墓はさすがに見
たことないですね。」
永谷「初めて埋まったお墓にならないようにしないとね。」
矢田「大丈夫ですよ。」
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本人(松永さん)いわく
『上手くはないけど、本人(故人)は気に入って書いていたから、その文字がお墓に入っているのは何かイイね。』
そうですね、ご家族らしさが少しでもお墓に表現できると、また、喜びもいっそう出てきますよね。 |
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矢田「それでは次の質問ですね、出来上がったお墓を御覧になって、いかがでした?」
永谷「結構低いと思った。」
矢田「お墓の高さがですか?」
永谷「そう。お墓の高さが低いと思った。」
矢田「そうですか。
確かに、背の高いお墓ではありませんが安定感はありますよ。」
永谷「そうね。
でも、いけないというわけじゃないよ。
こないだも、お墓参りに来てる人に言われたの、
『お墓は高さを競うもんじゃない。 お墓が低いほうが、これから家が伸びる』ってね。」
矢田「良いこと言う人いますねー その通りですよ。
お墓は高さを競うものではありませんよ。」
永谷「そうね。
今ではね、地震があったときには一番安全と思う。 重心が低くて安定感があるもの。」
矢田「ありがとうございます。 他に何かないですかね?」
永谷「思ったより良い石だね。」
矢田「そうですかね。」
永谷「モット安い石でよかったのに。」
矢田「いや、でもキレイですよね。」
永谷「まあでも、これでひと安心できました。
後を見る人がどうするかは分からないけど、自分のやれることはやれたものね。」
矢田「大丈夫ですよ息子さんだって、ちゃんと墓守しますって。」
永谷「そうしてくれるといいんだけどね。」 |
今は亡きご主人の直筆の色紙。
仲の良い人の、名前を題材に詩をつくり、独特の字体で書き綴った色紙は、数え切れないほど。
その中でも良く書いていた『道』の文字を選びました。 |
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矢田「最後に今後の矢田石材店に期待することありますか?」
永谷「別にないけど・・・
そうそう、納骨のとき来てたのは弟さんかい?」
矢田「ハイ、そうです。」
永谷「兄弟でイイねえ。
あの弟さんも良い子じゃないかい。 まじめだし、がんばっとったよ。」
矢田「ありがとうございます。 本人に伝えときます。」
永谷「兄弟で頑張って、これからも良い仕事してね。」
矢田「ありがとうございます。」
永谷「私が死んだら、あのお墓に入らないかんのだから、
それまでちゃんと石屋やっとってね。」
矢田「もちろん! 自分が死ぬまではお付き合いしますよ。」
永谷「それ聞いて安心したわ。」
矢田「本日はどうもありがとうございました。」 |